東京医科歯科大学フロント計画
●作品の紹介●
・大学病院再開発にあわせて
大学建物の更新の最終段階で街へ向けた顔づくりの提案。
ここでは全体の動線計画と建物のボリュームやあり方などについて一体的に検討。
・大きな庇の下で
ちょうど計画に携わった初期、調査に訪れた3月11日。あの大地震をここで迎えた。
解体中の古い建物のミシミシした揺れと、30分は続いたと思われる超高層タワー棟の長周期のくねりを目の当たりにした強烈な印象が残った。
地震直後、多くの患者や大学病院関係者が一斉に建物から飛び出して来たことを良く憶えている。
そのとき、高密度化された構内での広場の重要性や、ガラス建築の危険性を強く感じ
そうした課題へ回答するつもりで以下の要素を統合すべくこの計画にあたった。
・鉄道駅からのアプローチ路の改善
・建物相互の人の移動をつなぐ場の創出
・屋上広場の設置
・神田上水から連続する緑の帯
・そしてタワー棟の足元を人のスケールに戻す庇空間
・基本計画と実施
基本計画納品後は我々の手を離れたが、
実施段階で屋上広場の緑化は大幅に減り、モニュメントの庇も緩やかな曲面が整理されたりしている。
しかし基本的な人の流れについては提案が実現しているのではないかと思っている。
●DATA●
所在地 東京都文京区湯島
主用途 大学病院
基本設計期間 2011年2月〜2011年7月
竣工 2013年12月