地下にピアノ室のある家
●作品の紹介●
・「おもいっきりピアノを弾きたい」
最初にお施主さんがおっしゃった希望だった。
敷地は駅からほど近く、ゆるやかな下り坂に面した閑静な住宅街の角地。
どちらかといえばあまり広くないこの敷地に家族3人のそれぞれの居場所をつくり、
かつ時間をあまり気にせずに音を出すことができる部屋を設けるという要求に対して、
敷地いっぱいに地下を掘るという選択をした。
地下は鉄筋コンクリート造。ドライエリア(からぼり)は通風と採光、そして庭のないこの家の
屋外スペースとして重要な空間となっている。地上部分は木造在来工法・真壁造。
主に調湿性の高い塗り壁を用い、柱梁の構造を現した空間は構造体としての安心と
親しみのあるスケールにより落ち着いた雰囲気を得ることができた。
・見る見られるのグレーゾーン
境界線までの屋外空間をできるだけ建物と一体に取り込むために縦格子のスクリーンを
ドライエリアの上にまとわせた。透過率64%程度の間隔のそのスクリーンは
家の内側と外とを適度に隔て、採光をとりつつ感覚的なフィルターとなっている。
●DATA●
所在地 東京都練馬区
構造 地下鉄筋コンクリート造/地上木造
規模 地下1階/地上2階
主用途 住宅
敷地面積 62.39m2(18.90坪)
建築面積 37.40m2(11.33坪)
延床面積 105.76m2(32.04坪)
設計期間 2004年2月〜(企画段階を含む)
工事期間 2004年9月〜2005年6月(現在最終仕上工事中)
構造設計 有限会社ABA建築設計事務所
施工 有限会社ビーンズプロダクツ(町田市)