●作品の紹介●
・ひっそりとした存在感
東京芸術大学の門前に置かれる事になったATMの箱を設計する機会を与えられた。
芸術大学の顔の部分に位置するため、なるべく目立たず、かつ利用者にわかりやすく、
という相反する要求が課題となった小さな建物である。同大学美術学部
施設環境・安全衛生委員会の要請をうけてデザインをした。
・素材
芸大の門まわりに用いられている赤いインド砂岩との調和や、少し変わったものを
という学内の要望もあり、素材を大切にする大学のこだわりを顕わすために、
今までに何度か用いている耐候性鋼板(コールテン鋼素地仕上げ t4.5mm)で直方体を形作った。
安定錆の赤茶箱に対して、グレーに焼き付けたスチールパネルの門型フレームを
突出させ出入口としている。

設計を進めて行く中で、エアコンや自動扉を止めて極力エネルギーを使わない
提案をしたのだが最終的には極一般的な設備となってしまったのが心残りではある。

●DATA●
所在地　　　　東京都台東区(東京芸術大学前)　　
構造　　　　　軽量鉄骨造　　
規模　　　　　地上1階　　　
主用途　　　　ATM
敷地面積　　　18.31m2(5.5坪)
建築面積　　　5.6m2(1.6坪)
設計期間　　　2007年6月〜2009年4月（企画段階を含む）
工事期間　　　2009年4月〜2009年5月
施主　　　　　ゆうちょ銀行
設計・施工　　(株)ダイシバ(東京都港区）
鉄骨加工　　　伊礼工業所(埼玉県三郷市)