今年度は現在3つの改修工事が重なっているため、より情報を理解することを中心に本サイトにて紹介していきます。できるだけ工事の進捗に合わせて頻繁なアップデートを心掛けていきます。
絵画棟/石膏室
2009年度および2010年度の二期に渡る耐震改修工事です。
フランクロイド・ライトの事務所から日本に戻られて藝大で教鞭をとっていた天野太郎の設計で約40年前に絵画科のアトリエ棟として建設されました。
1階に大石膏室を備えた地下1階/地上8階建てのRC造建築です。
打放しコンクリート面は長年の風雨に晒されて痛みが進んでいました。
今回内部の耐震改修と併せて外壁面も補修とお化粧をしています。
内部は耐震壁と機能改善を施しています。
1階大石膏室も既存を活かしつつ新しい展示ギャラリーを設けるなどの
空間的なリニューアルも同時に行っています。
陳列館
新しい耐震要素ができるだけ目立たないように配慮した耐震改修工事です。
昭和4年築のRC造 黒田記念館、鳩山会館などを手掛けた岡田信一郎設計。
今年で築80年を迎えました。
幸いなことに部分的な耐震壁の設置により耐震性能を担保できるため、
いくつかの窓を塞ぐことになりますが基本的な展示空間の質は変更していません。
築造当時より1階の立体系・2階の平面系それぞれに適切で良質な展示空間を保ってきた
内部空間を継続して使用できるように計画しています。
赤レンガ2号館
歴史的な外観を保存しながら、内部を全面的に強固に補強する耐震改修工事です。
旧東京図書館の書籍庫として明治19年に築造。レンガ造。小島憲之設計。
内部は小屋裏を含む3層構造となっている。
関東大震災被害を受け一部に構造補強された状態となっていました。
今回の改修ではレンガ壁に沿って一皮RCの壁構造を内包させるとともに
建物中央部に階段室を兼ねた構造コアを上下に通すことを補強の芯としています。
研究室・制作アトリエなどの教育機能を充実させ、温感的に厳しかった環境も
ある程度改善し現代の使い方に合わせた機能改善を施します。
また、外部意匠上重要な要素である窓の鉄扉も近年腐食が進んでいたため今回の改修で全面的に手を入れることとなりました。